商品を貸し出して利益を得る「レンタル事業」。DVDから自動車まで、国内では実に様々なものがレンタルされていますよね。市場においても、レンタル事業はかなり注目を集めるビジネスです。このビジネスを始めるには、何か資格や許可は必要なのでしょうか。また取り扱う商品によって、注意すべき点はあるのでしょうか。気になるレンタル業のポイントをまとめました。
レンタル事業とは？市場の動き
「レンタル事業」とは、顧客が欲しいものを一定期間貸し出すビジネスの総称です。レンタルビデオやレンタカー、レンタサイクルなどを利用したことがある人は多いのではないでしょうか？
最近では、家具やマッサージチェアなどの家電を貸し出している事業者も存在します。また専門の機材や機器、設備などを貸し出す企業・業者向けのレンタル事業も、その市場規模を年々拡大しています。
経済産業省の発表によると、2019年3月における物品貸出（レンタル）業の売上高は、前年同月比2.4％増。17ヶ月連続で前年の売上高を上回っていることからも、今後の更なる成長が期待できますね。
レンタル事業で必要な資格
レンタルを行う事業者は、利益目的で古物を売買する資格「古物商許可」を得ている場合が多いです。古物営業法で定められた「古物」とは、まず一般的に「中古品」として扱われる商品を指します。誰かが一度でも袖を通した服、一度でも乗った自動車などは全て古物です。
また未使用であったとしても、使用のために取引された実績のある商品は古物として扱われます。未使用・使用済みに関わらず、手を加えられた（洗濯や修理など）商品も同様です。
一方、レンタル目的でメーカーと取引した（買い取った）「新品の商品」は古物に該当しませんし、この場合は古物商許可が要りません。よってレンタル事業の場合、例えば全て新品を購入し顧客に貸し出すなら、古物商許可は不要です。
しかし全ての商品を新品で揃えられるとその分経費が高くなってしまうので、レンタル事業では「古物市場や顧客」から商品を安く仕入れ、安く貸し出すのが定石となっているのです。古物市場の利用にも古物商許可が必要な場合が多いです。
そのため古物商許可はレンタル事業を行うなら持つべき許可証と言えるでしょう。
知らないとやばい。レンタルする商品ごとに必要となる許可や届け出
レンタカー事業
特別な許可や届出が必要なのは、まずレンタカー事業を行う場合です。レンタルする商品が自動車である場合は、窓口へ届け出て許可（自家用自動車有償貸渡業許可）を得る必要があります。つまり中古車でレンタカー業を行うなら、古物商許可とあわせて2種類の許可を取らなければいけないのです。
加えて取り扱うのが10台以上の乗用車なら、営業所ごとに「整備管理者」を立て届け出けることが法律で決められています。
メディアレンタル事業
またCDやDVD・本などいわゆる「著作物」は、レンタルにそれぞれの権利者から許可が必要です。例えば邦楽邦画のCDやDVDなら、まず「社団法人日本映像ソフト協会」に許可を得て、それから各メーカ―とレンタルに関する契約を結びます。当然、無断でのレンタルは著作権法違反で処罰の対象です。
取り扱う商品の種類によっては特別な許可が必要のない場合もあり、中古品買取の古物業者の新しい商売方法だと注目を浴びています。
4-5年前からブランド品(バッグや腕時計など)の古物業者によるレンタル事業も始まっており、１つの方法として参考にしてみてください。
