近年は、Yahooオークションやメルカリなど、一般の方でも簡単に古物を売買することができるようになりました。
中には、古物の売買で利益を上げて生活をしていこうとする人もいます。古物商を取った後でも、基本的な法律や規制を把握していなければ、法律違反になったり、トラブルの原因になったりすることもあります。
ここでは、古物商を取った後に知っておきたいことを、いくつか紹介いたします。
ここは知っておきたい古物営業法
まず把握しておかなければならないのが、古物営業法です。
取引される古物の中に盗品などの被害品が混入する恐れがあるため、盗品等の売買の防止や早期発見により被害を迅速に回復することを目的に作られた法律です。
ここでいう古物とは、一度使われた物品、そして新品であっても使用するために取引された物品、これらの物品に手入れしたものをいいます。古物は、13品目に分類され美術品を始め、衣類、貴金属、自動車、機器、書籍、金券類が含まれます。
古物営業には3つの形態があります。
一つ目が古物商で、古物の売買や交換、委託を受けて売買や交換をする営業です。二つ目が、古物市場主といい、古物商同士が古物の売買や交換を行う市場を経営するという営業です。そして三つ目が、古物競りあっせん業者といい、古物の売買をしようとする者のあっせんを、インターネット上で競りの方法で行う営業となります。簡単にいうと、インターネットオークションを運営する側ということです。
古物商の許可には、特別大変な勉強も多額の費用も必要ないので、簡単にOKが出るとの口コミを多く見かけます。
しかし、誰しも古物商の許可をもらえるわけではありません。
住所不定だったり、成年被後見人や被保佐人、そして禁錮以上の刑を負っているものなどは、認可されません。また認可されても、古物営業法違反をしたり、許可を受けてから6ヶ月以上営業を開始しなかったりした場合、許可が取り消されますので注意が必要です。
古物商を許可されたら、できる限り速やかに営業を開始し、その後は法令順守して営業する必要があるので、注意しましょう。
ここは知っておきたいリサイクル法
古物商を営む上で把握しなければならないのが、リサイクル法です。
正式には、再生資源の利用の促進に関する法律といい、対象の種類ごとに細かく法律が分かれております。容器包装、家電、建設、食品など合計7種類の法律があります。
これは、資源や廃棄物をしっかりと分別して回収を行い、再度資源として利用することを定めた法律です。
古物商を営む場合、家電などをリサイクルして再度販売する業者もいます。そのためには、リサイクル法を正しく理解し、消費者に安全に届けられるようにしなければなりません。もし、古物商を始める場合、何がリサイクル対象となるのか把握しておきましょう。
古物商では、売れなくなった商品を処分する機会も多々あります。知識がない状態ですと、どうやって処分すればよいのか、どこに回収してもらえばよいのか分からず、誤った方法で処分してしまうケースが考えられます。
そうなると、法律に違反することになり、営業停止の恐れも出てきます。法律は正しく理解する必要があります。
リサイクル法を覚えることは大切ですが、自信がない時は、リサイクル専門業者と提携するという手段もあります。
定期的に法律が変更になるので、チェックが必要
古物商を始める上では、ひとまず古物営業法とリサイクル法の内容を把握しなければなりません。
ただ、一度覚えたとしても、後々法改正により、内容が変わることがあります。ずっと同じやり方で営業していても、気付いた時には法律違反行為になっていることも考えられます。
そうならないためにも、定期的に法律をチェックし、法改正がなされていないかどうか確かめましょう。もし従業員を雇う場合、自分を含め、会社全体で教育を行う必要があります。
健全な営業を続けるためにも、法律は常に意識しておかなければなりません。一度でも法律を違反すると、営業停止になったり、最悪な場合廃業に追い込まれることもあります。古物商を取った後も、法律と規制をしっかりと守り続けましょう。