「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能になる 」というお話を聞いたことがある方はいると思います。
これは2015年の12月、株式会社野村総合研究所と英オックスフォード大学のマイケルA.オズボーン准教授、カール・ベネディクト・フレイ博士による共同研究で発表された試算に基づいています。(参考:「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」)
「AIは雇用を奪うのか否か」という議論は今現在も続いており、この議題に関する論文は数多く書かれています。
今回の記事では、AIが変える古物業界の未来、雇用について考えていきたいと思います。
鑑定士はもういらない
ブランド鑑定士はAIによって失くなってしまう職業の一つです。
鑑定士の方や鑑定士を目指している方は、この事実について真摯に受け止める必要があります。
株式会社コメ兵は鑑定士を代替するAIの開発を1年半かけて完成させた
2019年4月23日、名古屋で「楽八(らくはち)」というソーシャルイベントが開催されました。
そこで登壇した株式会社コメ兵マーケティング統括部部長の藤原さんのトークセッションでは、
「鑑定士を一人前に育てるには最低でも3年かかり、新店舗を増やす場合のボトルネックになっている。」と鑑定士について言及。
ボトルネックを取り払うため、コメ兵では1年半の歳月をかけてブランド品の真贋鑑定を行うAIを完成させました。 (参考: コメ兵、2019年春にリアル店舗で「AI真贋」実用化スタート テクノロジーを活用した『リユーステック』でリユース業界に変化をもたらす)
今すぐに鑑定士が要らなくなるわけではない
コメ兵が制作したAI真贋の精度は97%で、ブランド品はルイ・ヴィトンに限られています。様々なブランド品への対応を急ピッチで進めている最中ですが、完全に鑑定士が不必要となるまでにあと数年は必要になるでしょう。また、偽ブランド品は年々巧妙になっています。新しく作り出された偽物に対してどのくらいの精度でAIが対応できるのかは定かではありません。
以上のことから、今すぐに鑑定士が不必要になるわけではないようです。
しかし、今後の鑑定士の存在価値について考えることを放棄せず、いつか失くなってしまう職業だということを念頭に置き、未来を想像する必要があるでしょう。