フリマアプリの誕生などで「中古品をどのようにしてお金に変えるか?」ということについて、多くの人が考えるようになりました。リサイクルやリユースで収益を上げている会社は、たくさん存在します。近年、不用品買取の伸び率はどのように推移しているのかなどについて解説します。
目次
新品から中古品の時代へ
かつての日本が経験した高度経済成長の時代は、どんどん新しい商品が作られ、飛ぶようにモノが売れていました。
しかし高齢化社会に入り、モノが余っている現代において新品のニーズは低下しています。
時代の変化とともに、注目されるようになったのがリサイクル・リユース品です。中古品を安くで購入し、またリサイクルショップで売れば家に物が溜まりません。
地道に広がるリサイクル運動
誰もが当たり前に使うようになったリサイクルというワードは1974年、元東大教授の糸川英夫氏主導の「リサイクル運動市民の会」の発足により普及し始めます。今ではリサイクルという言葉は一般の人達に広まり、すっかり定着しています。
1960年代から80年代まで日本の経済は右肩上がり。多くの人が豊かな生活を享受していました。しかしその反面、大量消費で作られた製品が廃棄物となり、その処理が悩みの種となった側面もあります。
「このまま放置してはいけない」と、市民によるリサイクル活動が始まり、フリーマーケットの開催などで不用品をいかに循環させることが注目されるようになったのです。
リサイクルとリユースの違い
リサイクルとリユースは似て非なるものです。リサイクルとは資源を廃棄物にして、再度新品の商品を作り出すこと。リユースは、買い取った商品をそのまま販売(再使用)することを指します。このふたつの概念の違いについて、きちんと理解しましょう。
ある法律が施行されてから不用品業界がガラリと変化!
1991年に「再生資源の利用の促進に関する法律」が施行され、それによってリサイクル業界が一気に規模を拡大します。
古書の売買で時代の寵児となった「ブックオフ」は、短い期間にどんどん店舗の数を増やすことに成功しました。
2008年9月15日に起きたリーマンショックの影響で、総体的に日本社会がダメージを受け、働く人間の給料も上がりづらい状況になりました。しかしそんな中でも、リサイクル業界は大きな落ち込みを見せることはありませんでした。
「高額な新品を購入するよりも、まだまだ使うことができる中古品を買えばいい」と発想する人が増えたのだと推測できます。
リサイクル業界の特徴として、不況に強いため業績の大幅な浮き沈みがあまりないことが挙げられます。2010年から2015年にかけて、リサイクル業界の売り上げが上昇を続けたことは証の一つです。
近年の売り上げ規模
ゲオホールディングスなどの主要対象企業(18社)の合計額ですが、2015年から2016年にかけての総売上規模は3,841億円でした。
しかしここまで順調に売り上げを積み重ねてきた不用品業界に異変が起こっています。
超人気アプリ「メルカリ」の脅威
不況の時代にピッタリと称された不用品売買のビジネスですが、気になるデータが報告されています。
ゲオホールディングス系の「セカンドストリート」の2017年の下半期の売り上げが、前年比を下回ったことです。10月と12月のみ前年割れを防いだものの、他の月は軒並みマイナス。
これはフリマアプリである「メルカリ」の普及と関係していると言われています。
メルカリで販売すれば、大手のリユース店での買い取り額の数倍で売れる傾向があるからです。
メルカリの運営には人件費や店舗維持費などが必要ないため、リユース店よりも有利な価格で売買可能となっています。不用品売買業界の強力なライバルと言えるでしょう。
まとめ
メルカリの登場によって大打撃を受けた不用品売買業界。
幅広いジャンルを取り扱えるメルカリは、確かに手ごわい存在です。しかしブックオフは「三ヶ月売れ残った中古本はオンライン事業に転送」といったシステムなどを打ち出すことで対抗しています。
メルカリの脅威は今後も続きそうですが、迎え撃つリサイクル、リユース業界も指をくわえて黙ってはいないでしょう。